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古典妖艶童話文学集/千之ナイフ

古典妖艶童話文学集/千之ナイフ

千之ナイフ氏の漫画を初めて読んだ時、衝撃を覚えた。
「百面相サーカス」という作品だった。
何気なく手に取ったはずの漫画だったのに、以来私は氏の漫画の虜になってしまった。

繊細で細くまるで、西洋人形のような可憐な少女。長い髪は前髪もそれ以外も、ひたすらまっすぐに揃えられている。
こちらまでさらさら感が伝わったきそうな髪の描写である。
そんな少女達が時には悪夢のような惨事に見舞われたり、時には妖艶に描かれている。



当作品古典妖艶童話文学集「サド」(左の絵)、「テンペスト」(右の絵)の二作品も千之ナイフ氏の世界を存分に味わえる作品である。
前半的に暗澹で残酷で妖艶な雰囲気な作品が多いのだが、どうしても繰り返して読みたくなる。
「あはれ」という印象だろうか。
このような独特な世界観を持った漫画家は少ないような気がする。

万人にお勧めしがたい漫画ではあるが、興味があったら読んで頂きたい。
なかなか書店で入手しづらいのも難点である。

なお非公認の氏のファンサイトがある。
そちらも是非一度ご覧あれ。
by MRookie | 2006-01-22 09:05 | 漫画・小説<一般>
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